今回は、NO AGEがオランダにて買い付けたアイテムを元にマルティン・フィッサーデザインによるアイテムを紹介していきたいと思います。
マルティン・フィッサーの代名詞といえるマスターピース、br02ソファーベット。1960年の’t Spectrum時代の発表から、現在のSpectrumまで絶えず人気の高いモデルです。バウハウスやデステイルなどのモダニズムの影響が見られる直線的なデザインのシートと、最小で構成されているフレームが美しいプロダクト。
フレーム部分の細く斜めにカットされ溶接が施されている円柱のステンレスパイプの技術が光るこのソファーは、’t Spectrumがあったベルゲアイクの金属加工会社Nebatoの技術が可能にしたもの。当時の主流であった曲げパイプではなく、あえて斜めにカットしたパイプをつなぎ合わせてエッジを出しています。
この、Nebatoとマルティンの関係は後の、ソル・ルイットなどの作品の製造に大きな役割を担っていたことは前回のブログで紹介しています。
極限まで細く、シンプルな構造ですが座る人の背に沿うように斜めに配置された背もたれはシッカリと体を支え、若干傾斜の見られる座面はゆったりと体を預けることができます。
また、座面を手前に引き出すことで座面が水平になりベットとして横たわることができます。特にロックなども必要なく、座面裏に配置されたL字パイプが座面を引き出すだけで転がるように角度を変え、可変を容易に可能にしています。
中央を横一線に走る構造体のパイプはあえて黒く塗装されており、全体に軽い印象をもたらしています。シートはウレタンとシトロエン2CVのシートより転用された、輪ゴムのような形状のバネが連なったスプリングを採用。
見た目より座りやすい。なんてことはモダンヴィンテージの家具にはありがちなことだったりしますが、これはその典型かもしれません。そのスタイリッシュで直線的な見た目に反した、深くゆったりとした曲線的なすわり心地がそこにはあります。
写真のbr02はデンマーク製のファブリックに張替え後Soldとなりましたが、現在では生産されていない角足タイプのbr03、厚手のクッション座面が乗ったbr54の張替え前のストックがございます。NO AGEではDe Ploegの生地も取り扱っていますので、新しい張替え後の生地でもオリジナルの雰囲気を味わうこともできますよ。
1960年、 br02と共に登場したダイニングチェアse05。
共通するエッジの利いたパイプの構造が美しいチェア。こちらも現在でも生産が続いているロングセラーのデザインです。
ラタンもしくはプラスチックの座面が存在します。ラタンの座面は特に、その光沢のあるフレームとラタンの素朴さのコントラストが良い雰囲気。横顔もとても綺麗です。 こちらのチェアは入荷後Soldとなりました。
1969年大阪万博のオランダパビリオンのためにデザインされたsz08/Osakaなどの日本の地名がついた一連のシリーズ。こちらは派生系Sofa bz07/Nagoya 2 です。アームや背もたれの違いで名前が違ってきますが、こちらのNagoya 2はアームなしのローバックタイプ。
70年代頃、マルティン・フィッサーのデザインに変化が見られる時期で曲線的なアプローチが増えていきます。その片鱗が見え始めたデザインが見られるこのシリーズ。前回ブログでヨーゼフ・ボイスがアトリエで使用していたのは、ハイバックの1Pタイプsz09/Nagoya1かと思われます。
こちらのNagoya 2は、1969年から74年までの生産で同じ2シータータイプのOsaka 2と比べると本国でもあまり見かけることの無いタイプとなっており、かなり希少性が高いモデルです。両サイドのアームがない分、抜け間がありかつコンパクトで実用性も高いデザイン。オリジナルレザーは健在で、とても良いコンディションで入荷してきています。こちらは、まだまだ店頭にございます。
張替え前ストックソファーはイギリス、オランダの生地などでお好みのカラー、材質をお選びいただけます。
また、本ブログで紹介していますストックに関しましては、お気軽にコンタクトよりお問い合わせくださいませ。
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1. デザイナーとしてのMartin Visser -‘t Spectrum と Martin Visser
2.コレクターとしてのMartin Visser -Truly free spirit
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2 thoughts on “ Designed by Martin Visser ”