こんにちは。
今回もFriso Kramer(フリソ・クラマー)のリボルトチェアを掘り下げて行きたいと思います。
前回はリボルトチェアの要、フレームのお話でしたが今回はそのフレームを最大限に活かすための座面のお話です。

前回のブログでもお話しましたが、クラマーがリボルトチェアを開発していた時期は1950年代のミッドセンチュリー期です。

当時は終戦によってもたらされた最新鋭の技術や生産体制などを駆使して、世界中のデザイナーが多くの名作を生んでいた時期でもあります。

その中で、座面はその技術の進化を可視化しているといっても過言ではないほど、様々なデザイナーが創意工夫を凝らしたパーツかもしれません。
直に人と接する部分であるその場所は、道具としての快適さや機能性、商品としての生産コストや生産性を一番シビアに求められた部分。裏を返せばそれゆえに、デザイナーの情熱が投影される部分でもあるわけです。

Revolt Chair by Friso Kramer
Revolt Chairの座面。写真はファブリック製のもの



Revolt Chairの座面はプライウッドで作られていました。が、より軽く強固な素材を捜し求めていました。(プライウッドの座面のものの流通しています。)
彼の理想としていたのは、当時のレコードくらいの厚みもの。なんとその厚さ4mm以下!といいます。
4mmというとかなり薄いです。よく日本の学校などで使われている、プライウッドの椅子の座面が大体10mmほど。それでも薄く感じますが、クラマーはその半分以下の薄さを求めていたのです。
かつ、プライウッドと同等もしくはそれ以上の強度のもの。

当時、イームズ夫妻などガラス繊維を練りこんだプラスチック(FRP)の成型に成功しています。直接的な影響は受けていないとはいえないかもしれませんが、新素材の開発という波があったことは事実としてあります。
(金型の作成にお金がかかりすぎ、クラマーは導入を見送ったとか・・。)

その中でクラマーが目を付けたのが、新しいタイプの合成材でした。
当時合板のラミネートにのみに用いられていた、合成樹脂(ベークライトに近い)に着目し、実験を重ねより柔軟で軽く強度のあるプラスチックの座面を開発しました。
製造を行っていたAhrend社によってその新素材はCirahflexと名付けられたのですが、この名前はあまり浸透しなかったようです。この素材の開発を経て、後の1960年代にAhrend社により、より磨耗性のつよいSiranolという素材に移り変わっていきます。

REVOLT CHAIR / Friso Kramer
Siranol 製の座面。写真では分かりづらいですがかなり薄いです。



こうして、バリエーションを増やしたRevolt Chair。オランダ国内での需要は高まりスタッキング、ラウンジチェアなど展開を増やしていきます。

余談ですが、Revolt =反乱という少し物騒な名前が付いているこの椅子ですが、これもAhrend社の意向だと言われています。既存の椅子の常識を覆す、革新的な椅子という意味でRevoltとしたのでしょう。
クラマーとしてはStole 4060 (=chair 4060)としていたみたいです。
ですが、反乱の如くオランダ国内を席巻したこの椅子あながち間違ったネーミングではなかったかもしれません。その後の彼(とウィム・リートフェルト)の作品にはReから始まる単語が名前に用いられています。

残念ながらNO AGEには現在 Cirahflex 製のRevoltはありませんが、かなり状態のよいオリジナルのファブリック製のRevoltがありますよ!
是非そのすわり心地を体感してみてください。きっとこの椅子のよさが伝わるはずです。
次回は番外編として資料がそろい次第、クラマーとジャン・プルーヴェについても書いていきたいなと思っています。少し気長に次回をお待ちください。


Back Number

NO.1
Revolt ChairとFriso Kramer_1
https://www.noage-jp.com/2019/08/27/revolt-chair%e3%81%a8friso-kramer_1/

NO.2
https://www.noage-jp.com/2019/09/18/revolt-chair%e3%81%a8friso-kramer_2/

今回紹介しているRevolt Chair はNO AGE WEB SHOPでもお求めいただけます。是非ご覧ください。
https://noage.theshop.jp/items/22810712







References
Yvonne Brentjens , De stole van Friso Kramer ,Rotterdam:naio10 uitgevers,2012

La Gazette de l’Hôtel Drouot, 8 février 2013

Friso Kramer
[https://nl.wikipedia.org/wiki/Friso_Kramer ] (最終検索日 : 2019 年 8 月 27 日)
Piet Kramer
[https://nl.wikipedia.org/wiki/Piet_Kramer] (最終検索日 : 2019 年 8 月 27 日)
In Memoriam | Friso Kramer
https://www.ahrend.com/en/about-us/news-overview/articles/news/2018/friso-kramer-passed-away-at-the-age-of-96/ ]
(最終検索日 : 2019 年 8 月 27 日)

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