こんにちは。
今回はタイトルの通りフリソ・クラマーと彼の代表作リボルトチェアについてのお話です。

Revolt Chair

NO AGEではダッチデザイン家具を扱っています。ここで言うダッチデザインとは1950年代頃よりのいわゆるミッドセンチュリー期にオランダにてデザイン・生産されてきた家具などを言います。
その、ダッチデザインでも特に有名なデザイナーが フリソ・クラマー / Friso Kramer (オランダ語の発音だと”フリゾ”に近いですが、以下ではフリソとします)。
コンパス脚のリザルトチェア、家具好きの方なら見たことがあるのではないでしょうか。デンマークのインテリアブランドHAYがリザルトチェアをリメイクするなどその知名度は日本でもかなり高まっています。(NO AGEにもオリジナルがありますよ!)

実はあの有名なリザルトチェアは、同じオランダ人デザイナーのウィム・リートフェルトとの共作だったりします。だからどうってわけでもなく、リザルトチェアは個人的にも大好きな椅子のひとつですが、今回はクラマーの代表作であり本国でも人気の高いリボルトチェアを少し掘り下げてみようと思います。

まずはデザイナーであるフリソ・クラマーについて。

■ABOUT _フリソ・クラマー

Friso Kramer
Friso Kramer, 1961
reference : https://nl.wikipedia.org/wiki/Friso_Kramer


1922年に建築家である父、ピエト・クラマーの元に生まれました。
ピエトはアムステルダムにかかる数百の橋や、オランダ第三の都市デンハーグにある高級デパート、デバイエンコルフ(De Bijenkorf)の設計など、国内でも著名な建築家であり、伝統主義的な建築様式、アムステルダム学派の中心人物でした。

建築がつねに身近にあった息子のフリソは 、アムステルダムの応用芸術教育研究所でインテリアデザインを学びました。
芸術的環境で育ったフリソですが彼の熱意は芸術性というよりも、より使用する人の目線に立った機能性であったり、人々の手に届きやすい生産性といったポイントに向けられました。アムステルダム学派を否定しているわけではないということですが、生活の環境上工場などで多感な子供時代の多くの時間を過ごした彼にとって、目に映ったのは労働者の姿であり目指すべきものをその時点で感じ取っていたのではないでしょうか。

実際に彼は1991年のインタビューにて、自分の教育と訓練は労働者の理想の延長上にあると答えており、労働者の精神を知性を豊かにするという自身のポリシーを公言しています。[1]
また、「デザインが幅広い社会的目的を達成するためには、できるだけ匿名で無ければならない」とも言っています。[2]
自らが有名になることや、名声を手に入れるためではなく、より良い社会と一般の人々へ向けた家具を手がけていくということに尽力したデザイナーともいえる人物。

・・ということは、このように記事にされることも本意ではなかったりするかもしれません。

ともあれ、それほどの熱意を持ってデザインされたプロダクトが本国オランダでは広く扱われ、今や海を越えてここ日本まで来ているということ。これは彼のマインドからそれているかもしれませんが、それほどに人々の生活に根付き社会的目的を達成していた裏づけにもなるのではないでしょうか。

少し話は脱線しましたが、彼はその後1948年よりオランダの家具メーカーであるAhrendのグループ会社である De Cirkel にて家具デザインの仕事に尽きます。

ここまでデザイナーのフリソ・クラマーについて書きましたが、このペースで書き進めるとかなりの長文になりそうなので一旦ここでページを分けることにしました・・。
というわけで、次回はRevolt Chair について書いていきます。


NO.2
Revolt ChairとFriso Kramer_2 はこちら↓
https://www.noage-jp.com/2019/09/18/revolt-chair%e3%81%a8friso-kramer_2/

今回紹介しているRevolt Chair はNO AGE WEB SHOPでもお求めいただけます。是非ご覧ください。
https://noage.theshop.jp/items/22810712





[1] Yvonne Brentjens , De stole van Friso Kramer ,Rotterdam:naio10 uitgevers,2012,P35
[2] Yvonne Brentjens , De stole van Friso Kramer ,Rotterdam:naio10 uitgevers,2012,P35

References
Yvonne Brentjens , De stole van Friso Kramer ,Rotterdam:naio10 uitgevers,2012
Friso Kramer
[https://nl.wikipedia.org/wiki/Friso_Kramer ] (最終検索日 : 2019 年 8 月 27 日)
Piet Kramer
[https://nl.wikipedia.org/wiki/Piet_Kramer] (最終検索日 : 2019 年 8 月 27 日)
In Memoriam | Friso Kramer
[ https://www.ahrend.com/en/about-us/news-overview/articles/news/2018/friso-kramer-passed-away-at-the-age-of-96/ ]
(最終検索日 : 2019 年 8 月 27 日)

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